2.活動内容

(2)活動内容

 建物は、近年まで3住戸の貸家として使われていたが、後補の住戸部分の破損が著しく、RACが保存・活用を訴えるまでは、地域住民から解体の要望が上がっていた。敷地には、消防のポンプ小屋(地下に消防用水槽がある)・付属便所・物置(撤去予定)と火の見櫓(保存)がある。ポンプ小屋は、現村長加藤秀光氏が糸井地区の消防団長をしている時に建てられ、その工事で玄関破風の端部が一部切り取られている。また、現在ここはゴミの収集場所にもなっている。建物周囲はかなり荒れ果てた状態である。

 現状の保存状態は良くないが、村内には社寺を除き、公共の歴史的建築物の存在は確認されておらず、唯一、この旧沼田警察署分署(旧糸之瀬役場)だけが存在している。後述するが、調査の結果、全国的に見ても、警察署の建物として数少ない貴重な建物である。

 活動は、住民に先ず、主要部の破損は少なく、比較的健全であることを訴え、村の文化財として貴重なだけで無く、これからの地域づくりに重要な役割を果たし、保存・活用すべき建物であるという認識をもってもらうことから始めた。