活動内容

@地域の歴史的建築物・景観資産
A景観保全と地域の歴史的建築資産の再生・活用実験
B地域住民との研修会
 ■第一回研修会
 ■第二回研修会
 ■第三回研修会
 ■第四回研修会

B地域住民との研修会 ■第二回研修会

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・日時 2010年12月 7日(火)
・時間 13:00〜14:30
・会場 昭和村役場会議室
・参加者 行政職員・商工会・住民 計16名
機構 1名 RAC 4名 学生 5名

 第二回研修会は、第一回と同じく講師として福  井隆先生、真島俊一先生においでいただき、より具体的かつ実際的に地域資源とまちづくりについてお話しいただいた。また、住民自身がどのように感じ、考えているのかを知るために、福井先生のご指導で参加者から「将来の課題 昭和村」と「昭和村の好きなところ」という項目で考えを集約し、コンセプトマップを作成した。
 福井先生は、実例として長崎県小値賀村(町) をとりあげながら、地域をよくしていくという課題に関して、どのようしたらよいのか、またなぜそうするかについて話された。農業を取り巻く問題では、TTPやFTPについてもふれ、現行のまま農業の効率化のみを論じても立ち行かないこと、地域をひとつの業態とすること、すなわち地域の経済環境を構築することを述べられた。また話題を転じて、地域を自分で、「良い」、「美しい」と思うことの大切さについて。その思うためには、何が、どこがと表現することに意味のあることを話された。それはまた、「好き」なものを考えるということで、「好き」を探す、表現する、つまり形にすることだとされた。このことは、次に作成することになるコンセプトマップに反映されることになる。
 真島先生は、いま何をすべきかについて、昭和村の地理や現況をもとに多面的にお話しされた。たとえばフランスの教育で何が大切とされているかから、日本における職人教育の遅れと専業農家の抱える問題、あるいは職人を地域の育てる意味などについて話された。そしてこの昭和村で何をするのか、具体的には昭和村を形成する6つの字で何をすべきかについて述べられた。
 こうした話題を基礎に、つづいて福井先生、真島先生の懇談という形で、昭和村で何ができるのか、生活を考える意義、生活を観光に結びつける方法として昭和村「風」を考えること、などの問題が取りあげられた。そのなかでは、できることを、できる人が、できる場所でやる、いわば地域の業務化や、活動のリーダーを見つけだすことにまで話しがおよんだ。
 こうした講演と座談のあとに、参加者に「将来の課題 昭和村」と「昭和村の好きなところ」という項目で考えてもらい、さまざまに意見をだしてもらった。その後多岐にわたる住民のみかたを福井先生が整理、集約され、コンセプトマップとしてまとめられた。「将来の課題 昭和村」という主題に関しては、項目は「地域の業態化」、「『昭和村』の顔づくり」、「妄想ビジョンをつくろう」、「昭和村のアイデンティティ」などに整理された。そこでの論点は、「こんなことをしていて、次の世代はやれるはずない」という意識へとまとめられ、専業農家の成り立つための会議、つまり子供たちがやりたくなる農業とは、という問いかけや、例として「日本一の食料安全保障の産地」という主題が浮かび上がった。他方、昭和村の好きなところ」に関しては、先に論じられた住民の「好き」な情景の反映となっている。それらは「全体の土地利用が美しい」、「残雪の高原」、「360°のパノラマ」、「支える人々」などの項目にまとめられる。これらは、決して解答ではない。現時点で住民が率直に感じたところの関係性の提示といえる。第一回研修会では住民参加者から考え、意見を充分に聞ける時間がなかったこともあり、このコンセプトマップは二回目までの研修会をとおしてのひとつの住民の考えの集積といえる。また、糸井地区の民家、景観調査に参加し、今回の研修会をサポートしてくれた工学院大学後藤研究室の学生からの、昭和村への感想も加えられた。

図-4 コンセプト マップ(住民の声)
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