活動の目的

 個性ある地域の歴史と文化を継承し、住み易い地域づくりを行うには、日常生活の中に埋没していて気付かない地域の資産を、住民自身の手で掘り起こし、地域で使い続け、住み続けることであると私たちは考えている。此所で言う地域資産とは、人と活きているコミュニティ・農業・自然景観・養蚕民家とそれが形づくる集落景観であり、地域と住民の周囲にある様々なものを指している。

 村内の7集落(旧村・現大字)は、ひとつの行政区であるが、それぞれ特徴のある景観を示している。今回のプロジェクトは、Part Tとして昭和村の中心地区であり、大規模養蚕民家が稠密に残存している糸井地区(694世帯・人口2,504人)から始めることとした。

 活動は、@地域の歴史的建築物を調査し、景観資産(まちづくり)としての重要性を認識し、A景観保全と地域の歴史的建築資産の再生・活用実験を通じて、住み易いまちづくりのあり方を考え、B地域住民との研修会や勉強会から、次世代に地域固有の文化を継承する力を育み、C情報発信や地域間交流等を通じて、住民達の手でコミュニティの活性化を図る第一歩を踏み出すことを目的としている。

図-4 糸井地区の養蚕民家たち