4.今後の課題

 昨年示した課題は解決していない。

 重要なことは、生業であるこれからの農業にとって、景観資源が重要な役割を果たすことを住民自身が問題意識として感じ取れるか、農産物に付加価値を付ける事が出来る景観資源の再生・活用の知恵を出すことができるかが課題である。今、農業の生産から販売までの六次産業化が提起されている。しかし、私たちは、生産者の生活環境(暮らしと生活)もそこに入れることを提案する。安心・安全で美味しいモノを生産する農業者は、歴史や豊かな生活文化に囲まれている。それらを大事にする生産者である。これらのことが意識されれば、地域の歴史や生活文化の継承も自然と行われ、養蚕民家も再生・活用され環境に優しい建築物として使用されるであろう。

 昨年と繰り返しになるが、昭和村の農業は、現在活気を呈しているが、国際的な農業問題が示すように、今までのやり方では対応できなくなることは明白である。昭和村に於いては、地域が疲弊する前に、手を打つことが可能である。住民が意識して全ての地域資源を関連付けた活用を考えることが出来るかに掛かっている。