1.活動の背景と目的(平成22年度住まい・まちづくり担い手支援事業報告書から転載)

1-2 活動の目的

 個性ある地域の歴史と文化を継承し、住み易い地域づくりを行うには、日常生活の中に埋没していて気付かない地域の資産を、住民自身の手で掘り起こし、地域で使い続け、住み続けることであると私たちは考えている。此所で言う地域資産とは、人と活きているコミュニティ・農業・自然景観・養蚕民家とそれが形づくる集落景観であり、地域と住民の周囲にある様々なものを指している。

(以上、平成22年度住まい・まちづくり担い手支援事業報告書抜粋)

 今回のプロジェクトは、昨年に引き続き糸井地区での活動と新たに、昭和村の北東、最深部にある生越地区の景観資源調査を行った。生越地区(68世帯・人口234人)は、昭和村の七大字の中で、もっとも小さな塊村(集村)と呼ばれる形態の魅力のある集落である。集落の中には建物、植栽、石造物、そして横井戸(後述)と地域資源が数多くある集落である。明治初めには、村内で新聞閲覧所も開かれ、山間地でありながら、古くから先進的な地域で会ったと考えられる。

 今回のプロジェクトは、@研修会を通じて糸井地区での景観ルールづくり等、生越地域での担い手づくり発掘、A生越の景観保資源調査と糸井での登録文化財の推薦、B旧沼田警察署分署の活用提案、C古民家再生無料相談と再生技術相談と現代住宅産業への活用、D絹産業を軸とした地域間交流、E活動の情報発信、等を通じて景観資源の保全・生活文化の継承とコミュニティの活性化を図ることを目的としている。

図-3 生越の景観