2.活動内容

2-1 活動の概要と手順

 下記に活動フローを示す。黒字は当初の計画で、赤字が実際の工程である。昨年度の経験から、役場や商工会の連携を強くし、広報を積極的に行ったことから、研修会はほぼ計画通り行うことが出来た。研修会では、福井、真島両講師のご指導により、地域資源である集落景観、生活文化及び農業等が連携した新たな昭和村ブランドを築き上げ、外に向けて情報を発信していくことが、活き活きとしたこれからの昭和村を生み出す唯一の方法であることを学ぶことができた。当初から、私たちは、単に建築的な景観保全を求めていた訳でなく、現代農業と密接に結びついた集落景観(養蚕民家で形づくられた歴史的景観)の保全と活用を提案していたが、研修会・ワークショップの中で、住民の方々と議論し、確認を行ってきた。

 また、昨年同様、地域資源の活かし方についても、昭和村だけで考えるのではなく、絹産業をテーマとして、かつて絹で結び付いていた地域とネットワークを構築し、地域間交流から地域づくり考える活動が出来た。(横浜での研究集会を軸に)

 昨年同様、住民メンバーを入れてのキックオフミーティングの後、村長・副村長・総務課長・企画課長・昭和村商工会等を交えて、活動内容の合意、行政側の窓口を企画課(担当・堤係長)との決定等を行い、次に生越地域の区長に活動内容の説明し、協力を依頼する。

 活動手順を示すと

1)地域の歴史的建築物・景観資源調査:(@生越地区の景観資源調査)
 歴史的建築物等の確認調査と景観マップ作成である。地域住民に地域資産の認識を促し、保全・活用への第一歩を踏み出すための調査である。登録有形文化財に推薦するための調査も行った。
2)景観保全と地域の歴史的建築資産の再生:(@ABC古民家及び旧沼田警察署分署の再生・活用)
 今回も再生・活用実験には至らなかったが、歴史的建築資産の再生のための住宅無料相談を行った。今後も定期的に行う予定である。旧沼田警察署分署では活用提案図を作成、宮澤智士先生の監修を経て、村指定文化財にするように働きかけた。
3)地域住民との研修会:(@研修会を通じて糸井地区での景観ルールづくり)
 研修会・ワークショップ・地域間交流を商工会主催の農商工連携人材育成研修会を含め、7回開催した。昨年以上の成果が見られた。参加した地域住民には、農業だけでなく地域資産として集落景観の重要性の認識が生まれた。
4)情報発信や地域間交流(DE研究集会・先進地視察)
 HPでの情報発信と研修会での地域間交流(茨城県桜川市真壁町への先進地視察)を行う。
 10月に今回のプロジェクトに関連して研究集会「絹物語・地域間交流から地域づくりを考えるPartU」をテーマに、横浜市で開催する。

表-1 活動フロー

表-1 活動フロー